○三戸町職員のハラスメントの防止等に関する条例
令和三年三月十五日
条例第一号
(目的)
第一条 この条例は、職場におけるハラスメント及びその他の人権侵害(以下「ハラスメント」という。)を徹底して排除するとともに、それらに起因する問題の防止のほか、問題が生じた場合の被害からの救済及び職場環境の保全等の措置並びにハラスメント行為者に対する厳正な処分を行うことにより、すべての職員が個人として尊重され、お互いに信頼して働くことができる健全な職場環境を確保し、もって職員の十分な勤務能率の発揮と公務の円滑な運営を図ることを目的とする。
一 職員 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第二項に規定する一般職に属する職員、同法第二十二条の二第一項に規定する会計年度任用職員、同法第二十二条の三第四項に規定する臨時的任用職員及び一般職の任期付職員の採用等に関する条例(平成二十八年三戸町条例第五号)に規定する任期付職員をいう。
二 ハラスメント セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、モラル・ハラスメント、妊娠・出産・育児又は介護に関するハラスメント及びその他の人権侵害をいう。
三 職場 職員がその職務を遂行する場所をいう。ただし、出張先その他職員が通常職務を遂行する場所以外の場所で、実質的に職場と相当因果関係があるものを含むものとする。
四 性的な言動 性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布することその他の性的な内容の発言及び性的な関係を強要すること、不必要に身体に触ること、わいせつな図面を配布することその他の性的な行為をいい、性別により役割分担すべきとする意識に基づく言動を含むものとする。
五 セクシュアル・ハラスメント その意図にかかわらず、他の者を不快にさせる性的な言動を行うことをいう。
六 パワー・ハラスメント 職務上の地位又は人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職員の勤務環境を悪化させる言動をいう。
七 モラル・ハラスメント 言葉、態度、身振り及び文書等によって、人格及び尊厳を傷つけ、又は肉体的及び精神的に傷を負わせることをいう。
八 妊娠・出産・育児又は介護に関するハラスメント 妊娠・出産したこと、育児休業・介護休業等の利用に関する言動により、妊娠・出産した職員や、育児休業・介護休業等を申出若しくは取得した職員の職場環境が害されるものをいう。
九 その他の人権侵害 性別、人種、国籍、年齢、性的指向・性自認、障がいの有無などに基づく差別的な言動及び差別的取扱い等、相手の人権を侵害する言動を行うことをいう。
十 ハラスメントに起因する問題 ハラスメントに起因して、安全で良好な職場環境が侵害され、又は職員が損害若しくは不利益を受けることをいう。
(町長の責務)
第三条 町長は、ハラスメントの防止等のため必要な措置を講ずるとともに、職員がハラスメントの防止等のために実施する措置に関する調整、指導及び助言を行うものとする。
2 町長は、ハラスメントの防止及び排除を図るため、職員に対し必要な研修等を実施するものとする。
(職員の責務)
第四条 職員は勤務時間の内外を問わず、ハラスメントをしてはならないものであるとともに、この条例の趣旨に従いハラスメントの防止等に努めなければならない。
2 職員を管理監督する地位にある者は、良好な職場環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等によりハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じたときは、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。この場合において、ハラスメントに対する相談及び苦情の申し出、当該相談及び苦情等に係る調査への協力その他ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において勤務条件に関する不利益のほか、同僚等から受ける誹謗、中傷その他の不利益を受けることのないよう配慮するとともに、再発防止に努めなければならない。
(相談等の申出等の手続)
第五条 ハラスメントを受けた職員等は、次条に規定する相談窓口に対し、ハラスメントの相談及び苦情を書面又は口頭により申し出ることができる。
2 前項の申し出は、現実に発生した場合だけでなく、発生のおそれがある場合又はハラスメントに該当するか明確でない事案についても、申し出ることができる。
3 ハラスメントを受けた職員が心身の故障等により入院していることその他特別の事情により申し出ることができない場合は、当該職員の同僚又は上司等で当該ハラスメントの事実関係を認識している者(以下「関係者」という。)が申し出ることができる。
(相談窓口)
第六条 町長は、相談及び苦情等を受付け、事実関係の調査及び必要な措置を行うため、ハラスメント相談窓口(以下「相談窓口」という。)を置く。
2 相談窓口は、相談及び苦情を行った職員(以下「相談者」という。)の同意を得て速やかに総務課長に報告するとともに、総務課長と連携して相談者から事情の聴取を行う等の必要な調査を行い、当該問題の事実関係の確認及び当該相談及び苦情に係る当事者に対する助言等により、当該問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。
3 総務課長は、事案の内容、状況等から適切かつ効果的な対応が必要であると判断したときは、次条に規定するハラスメント対策委員会にその処理を依頼するものとする。
4 相談窓口の体制その他必要な事項は、規則で定める。
(ハラスメント対策委員会)
第七条 町長は、相談及び苦情等に対し適切かつ効果的に対応するため、ハラスメント対策委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、前条第三項の規定によりその処理を依頼された事案について、当該問題の事実関係を確認し、その対応を審議し、当該相談及び苦情に係る当事者に対する助言等により、当該問題を適切かつ効果的に解決するよう努めるとともに、その結果について、町長に報告を行うものとする。
3 委員会の委員その他必要な事項は、規則で定める。
(秘密の保持)
第八条 相談窓口の職員及び委員会の委員は、相談及び苦情等の対応又は処理を行うに当たって知り得た秘密を保持するとともに、当事者及び関係者が不利益を被らないよう特段の注意を払わなければならない。相談窓口の職員及び委員会の委員がその職を退いた後も、同様とする。
(不利益取り扱いの禁止)
第九条 町は、職員がハラスメントに関する相談等を申し出たことを理由として、当該職員に対し不利益な取扱いをしてはならない。
(措置)
第十条 町長は、ハラスメントの態様等に応じ、ハラスメントを行った職員に対しては、懲戒処分その他の必要な措置を講ずるものとする。
(庶務)
第十一条 委員会の庶務は、総務課において処理する。
(その他)
第十二条 この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。