○三戸町ふるさとづくり条例
平成十七年十二月十四日
条例第二十二号
目次
第一章 総則(第一条―第八条)
第二章 振興計画(第九条・第十条)
第三章 三戸町ふるさとづくり審議会(第十一条)
第四章 ふるさとづくり事業計画(第十二条―第二十二条)
第五章 資金の貸付け(第二十三条―第二十八条)
第六章 ふるさとづくり基金の設置(第二十九条―第三十四条)
第七章 雑則(第三十五条―第三十七条)
附則
前文
「三日月の丸くなるまで南部領」とうたわれた南部氏。その居城があった三戸町は、緑豊かな山々に囲まれた美しい町です。
先人たちは、豊かな自然の恵みに感謝し、知恵と生きる力を身につけ、互いに助け合いながら生きてきました。
明治二十二年、三戸町として誕生してからは、青森県南地方の中心地として、大きな役割を果たしてきました。
私たちは、この「ふるさと三戸」をさらに発展させながら、子どもたちに引き継いでいかなければなりません。
そのため私たちは「三戸独自の風土」に誇りを持ち、人、自然、文化という優れた資源を生かし、経験から得た知恵を生かしていきます。
私たちは、町民と町が共に考え、一緒に行動しながら、安全で心が落ち着くふるさとづくりを進めていきます。
私たちは、町民一人ひとりの人権を尊重し、町民自らによるまちづくりを実現するため、ここにこの条例を制定します。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、三戸町のまちづくりの基本理念を明らかにし、町民を主体とした自治を推進することにより、全ての町民が幸福を享受できる地域社会の創造及び継続的な発展を目的とします。
一 町民 町内に住所を有する個人及び町内に事務所又は事業所を有する個人又は法人その他の団体をいいます。
二 協働 町民と町がそれぞれの役割を認識し、自主的に協力し合い、行動することをいいます。
三 ふるさとづくり この条例の目的を達成するために行われるまちづくり活動をいいます。
(基本理念)
第三条 ふるさとづくりは、次に掲げる「ふるさと三戸」の実現に向け、町が保有する自然、歴史、伝統及び文化などの資源を再認識し、活用することにより行います。
一 風土を愛する町民たちが支え合っているふるさと三戸
二 自然をまもり、環境を大切にしているふるさと三戸
三 安心して暮らせる安全なふるさと三戸
四 元気で暮らし、学ぶことができるふるさと三戸
五 ゆとりをもって働くことができるふるさと三戸
六 豊かな資源を生かしているふるさと三戸
七 人々の交流が盛んなふるさと三戸
(参画協働の原則)
第四条 ふるさとづくりは、町民の意志を反映して、町民と町、そして町民同志がお互いの理解を深めながら、協働により進めていくことを基本とします。
(基本方針)
第五条 ふるさとづくりの実現に向けた活動の基本方針(以下「基本方針」という。)は次のとおりとします。
一 先人から受け継いだ知恵と郷土愛を子どもたちに伝えていくとともに、共助の誇りと意欲を持ってふるさとづくりを推進します。
二 町民一人ひとりが地球環境保護の認識を深めるとともに、祖先から受け継いだ自然環境の回復に努めます。
三 火災や自然災害に的確に対処し、また防犯等の強化を図るため、地域住民組織を活用した地域ぐるみでの安心、安全なまちづくりを推進します。
四 誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らせるよう、保健、医療、福祉の多様なサービスの提供と総合的な施策を展開します。
五 若者の働く場を拡充するため、地場産業の振興を図り、また、町外からの定住を促進するため、総合的な受入体制を確立します。
六 歴史、自然と調和した街並みや景観の保全に努めるとともに、三戸町独自の優れた歴史、伝統、文化を保護し継承していきます。
七 ふるさとの山、川、里の恵みや昔ながらの営みを後世に伝えていくとともに、その豊富な資源の活用に努めます。
八 ふるさとが蓄えてきた人、自然、文化の情報を広く国内外に発信するとともに、町民相互のふれあいや都市と農村の活発な交流を進めます。
(町民の権利と役割)
第六条 町民は、自らの意思によりふるさとづくりに参加する権利を有します。
2 町民は、町の保有するふるさとづくりに関する情報を知る権利を有します。
3 町民は、自らの役割を認識し、ふるさとづくりに努めます。
4 町民の一員である事業者は、ふるさとづくりにおける社会貢献、社会奉仕活動等に理解を深め、その活動の発展と促進に協力するよう努めます。
5 町民は、ふるさとづくりにあたり、町内会などの自治組織(以下「自治組織」という。)の役割を認識し、その活動に参加し、又は支援するよう努めます。
(議会の責務)
第七条 議会は、ふるさとづくりの重要性を認識し、町の行政運営に町民の意見が反映されているか調査、監視するとともに、その結果を町民に対し明らかにします。
(町の責務)
第八条 町は、ふるさとづくりを推進するため、総合的に基本施策を講じていきます。
2 町は、町民の主体的なふるさとづくりを促し、町民とともにふるさとづくりを進めていきます。
3 町は、地域活動の基本主体である自治組織の役割を認識し、その活動を促進するとともに、協働のまちづくりの仕組みを確立していきます。
4 町は、自治組織の主体的なふるさとづくりを支援していきます。
5 町は、ふるさとづくりの施策の立案、決定及び実施に当たっては、その必要性及び妥当性を町民に説明する責務を有します。
6 町は、個人の権利及び利害が侵害されることのないように、個人情報の保護について必要な措置を講じていきます。
第二章 振興計画
(振興計画)
第九条 町は、総合的かつ計画的な町政の運営を図るため、基本方針に則り、三戸町総合振興計画(以下「振興計画」という。)を策定します。
2 振興計画には、次に掲げる事項を記載します。
一 基本構想
二 基本計画
三 実施計画
四 実施期間
五 その他町長が別に定める事項
3 町は、振興計画の進行管理を的確に行います。
(振興計画と他の計画との関係)
第十条 町は、行政分野ごとの計画については、振興計画に即して策定します。
第三章 三戸町ふるさとづくり審議会
(三戸町ふるさとづくり審議会)
第十一条 町長は、諮問機関として三戸町ふるさとづくり審議会(以下「審議会」という。)を設置します。
一 振興計画に関すること
二 この条例の改正に関すること
三 その他ふるさとづくりに関すること
3 審議会は、委員十名以内で組織します。
4 委員は、ふるさとづくりについて優れた経験と知識を有する者のうちから町長が委嘱します。
5 委員の任期は、二年とします。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とします。
6 審議会に会長を置き、委員の互選によって定めます。
7 会長は、会務を総理します。
8 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指定した委員が会長の職務を代理します。
9 審議会の会議は、会長が招集します。
10 審議会の会議は、委員の過半数以上が出席しなければ、開くことができないこととします。
11 審議会の議事は、出席委員の過半数で決することとし、可否同数のときは、会長の決するところにより決定します。
第四章 ふるさとづくり事業計画
(ふるさとづくり事業計画の認定)
第十二条 ふるさとづくりに係る事業(以下「ふるさとづくり事業」という。)を実施しようとする町民は、規則で定めるところにより、当該ふるさとづくり事業に関する計画(以下「ふるさとづくり事業計画」という。)を作成し、町長の認定を申請することができます。
2 ふるさとづくり事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければなりません。
一 ふるさとづくり事業計画の区域
二 ふるさとづくり事業計画の目標
三 前号の目標達成のために行う事業の概要
四 計画期間
五 その他町長が別に定める事項
(ふるさとづくり事業計画の認定基準)
第十三条 町長は、前条第一項の認定(以下「計画の認定」という。)の申請があった場合において、当該申請に係るふるさとづくり事業計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、計画の認定をすることができます。
一 当該ふるさとづくり事業計画が、ふるさとづくり推進に当たって効果的であり、かつ、当該地域及び町のふるさとづくりに貢献するものであると認められること。
二 町が行うふるさとづくり事業と整合性が図られるものであること。
三 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
(計画の認定に関する処理期間)
第十四条 町長は、第十二条第一項の規定による申請を受理した日から三月以内において、速やかに、計画の認定に関する処分を行わなければなりません。
(計画の認定の公表)
第十五条 町長は、計画の認定をしたときは、計画の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)の氏名又は名称、事業施行期間、事業区域その他規則で定める事項を、広報等により公表しなければなりません。
(ふるさとづくり事業計画の変更)
第十六条 認定事業者は、計画の認定を受けたふるさとづくり事業計画(以下「認定計画」という。)の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、町長の認定を受けなければなりません。
(報告の徴収)
第十七条 町長は、認定事業者に対し、認定計画(認定計画の変更があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)に係るふるさとづくり事業(以下「認定事業」という。)の実施状況について報告を求めることができます。
(改善命令)
第十八条 町長は、認定事業者が認定計画に従って認定事業を実施していないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置を命ずることができます。
(計画の認定の取消し)
第十九条 町長は、認定事業者が前条の規定による処分に違反したときは、計画の認定を取り消すことができます。
(資金の確保)
第二十条 町は、認定事業者が認定事業を実施するために必要な資金の確保について支援します。
(町の援助)
第二十一条 町は、認定事業者に対し、認定事業の実施に当たり必要な指導、助言その他の援助を行います。
(審査会の設置)
第二十二条 町長は、次の各号に掲げる事務を処理させるため、ふるさとづくり事業審査会(以下「審査会」という。)を設置します。
一 第十二条の規定に基づき認定申請があったふるさとづくり事業計画の審査
二 認定事業の実施状況等の調査
第五章 資金の貸付け
(資金の貸付け)
第二十三条 町は、認定事業者に対し、認定事業等を行うために必要な資金(以下「資金」という。)を貸し付けることができます。
2 資金の種類は次のとおりとします。
一 事業開始資金 認定事業者が基本方針の実現に寄与することを目的とする法人を設立するために必要とする資金
二 ふるさとづくり支援資金 認定事業者が認定事業を行うために必要とする資金
(貸付金の利率等)
第二十五条 貸付金は、無利子とします。
2 貸付金の償還期間(据置期間を除く。)は、それぞれの種類ごとに、五年を超えない範囲内で規則で定める期間とします。
3 貸付金の据置期間は、必要と認められる種類の貸付金につき二年を超えない範囲内で、その種類ごとに、規則で定める期間とします。
(期限前償還)
第二十六条 町は、貸付金の貸付けを受けた者が次の各号の一に該当する場合には、支払期日前に、当該貸付けを受けた者に対し、いつでも貸付金の全部又は一部の償還を請求することができます。
一 貸付金を貸付けの目的以外の目的に使用したとき。
二 償還金の支払を怠ったとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、正当な理由なく貸付けの条件に違反したとき。
(違約金)
第二十七条 町は、貸付金の貸付けを受けた者が支払期日に償還金又は前条の規定により償還をすべき金額を支払わなかった場合には、延滞金額につき年十二・二五パーセントの割合をもって支払期日の翌日から支払当日までの日数により計算した違約金を徴収します。
(返還方法の変更又は減免)
第二十八条 認定事業者が、災害その他特別の事由により、貸付金の返還が困難であると認められるときは、町長は返還方法を変更し、又は貸付金の全部又は一部の返還を免除することができます。
第六章 ふるさとづくり基金の設置
(設置)
第二十九条 ふるさとづくり事業を円滑に進めるため、三戸町ふるさとづくり基金(以下「基金」という。)を設置します。
(積立額)
第三十条 基金として積み立てる額は、一般会計歳入歳出予算(以下「予算」という。)で定めます。
(管理)
第三十一条 基金に属する現金は、金融機関への預金その他最も確実、かつ、有利な方法により保管しなければなりません。
2 基金に属する現金は、必要に応じ、最も確実、かつ、有利な有価証券に代えることができます。
(運用益金の処理)
第三十二条 基金の運用から生ずる収益は、予算に計上して基金に編入します。
(基金の処分)
第三十三条 基金は、次に掲げる事業等に要する経費の財源に充てる場合に限り、これを処分することができます。
一 町が行うふるさとづくり事業
二 第二十三条に規定する資金の貸付け
(繰替運用)
第三十四条 町長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用できます。
第七章 雑則
(行政評価)
第三十五条 町は、行政課題や町民の需要に対応した能率的かつ効果的な町政運営を進めるため、適切な行政評価を行い、その結果を町民に公表します。
(条例の見直し)
第三十六条 この条例は、施行後、ふるさとづくりの展開に合わせて点検し、必要に応じて見直し、実現可能で実効性のあるものとなるよう改正します。
(委任)
第三十七条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定めます。
附則
(三戸町振興計画審議会条例の廃止)
2 三戸町振興計画審議会条例(昭和四十年三戸町条例第十五号)を廃止します。
(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和三十一年三戸町条例第十七号)の一部を次のように改正します。
〔次のよう〕略